>>> 宝箱2  (アイザック、エヴァ、お嬢)

「でっけぇ宝箱ハッケーン………て事は」
「……恐らく、誰かがあの中で眠っているな」
「うわー、マジかよ……とうとうこの時が来たか」
「ドキドキする?」
「そりゃな。初めて見るワケだし」
「開けたらもっと驚くぞ」
「マジ?」
「あの時のエヴァ、物凄く驚いてたものね。貴方を見たまま、暫く動けなかったのよ」
「……へーぇ?」
「………」
「あら? 何か変な事、言ったかしら?」
「……いや」
「……何、暫く動けなかったのかよ?」
「……」
「おいエヴァ。こっち見ろ。……見ろったら見ろよー」
「………」
「エヴァ」
「……。……お前が寝てるなんて、普通、思わないだろう。……だからだ」
「はは、まぁ確かにな。……サンキュー」
「……礼を言われるような事はしていないぞ」
「俺が言いたくなったから勝手に言ったんだよ」
「……そうか」
「そうだよ。よーし、それじゃあ開けようぜ。見知らぬ誰かさんと、多分ご対面だ」
「そうね。じゃあ、せーので開けましょう?」
「あぁ」
「「「せーの」」」

  死んだから。
  だから、また会えるなんて、思っていなかったんだ。



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